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1月27日の小さなサロン「トリスタンの嘆き」

1月27日13時、小さなサロン、テーマはトリスタンとイズー、1回目は「トリスタンの嘆き」。

ゴットフリートとトマの詩によってあらすじをお話しし、媚薬と、世に認められない関係と、ラストの黒い帆の件から所謂「愛の死」というポイントを押さえ、この物語が、それまでの騎士道物語(ロランの歌や、ベオウルフなど)とは一線を引くかのように、マッチョから「精美の愛」を中心にし、世の中の「名誉・信義・宗教的倫理」と個人的な「愛と誠実」の内面の苦悩が表現されて、個人が魅力的に描かれる、いわば当時の最先端であることを印象に残してもらいました。
もともと、アイルランド、スコットランド、ブルターニュ、コーンウォールをまたぐ物語で、いくつかのエピソードが個々にとりあげられて伝えられたり、媚薬というアイテムのとりあげかたもいくつかあり、複数の詩人がそれぞれにまとめたりしていて、本を5冊くらい並べ立てながら照らし合わせたり混乱したりしました。

結局、書いて残すことに長けていたのはやはりドイツ人だということなのか、ゴットフリートをベースにすることで整理ができて、彼が書かなかったラストをトマで継いでお話しすることに落ち着きました。

これは私の思惑とは真逆だった。

ゴットフリートはあまりに文学的に昇華してみごとすぎて、長い物語にしているので、プリミティブな芯のようなものを探し出したかったのですが、マリーのレー「すいかずら」では媚薬のエピソードに欠け、他の写本では「佯狂」の場しか描かれなかったり、トリスタンの物語とはどういうものかを見渡すことができませんでした。
それから、この物語はケルトおよびフランス語圏のものだと思っていたのが、ライン河を渡ったドイツ語圏に翻訳され、多大な影響をもたらしていたので、ミンネザングの資料を当たらなくてはならず、有名な「トリスタンの嘆き」のエスタンピーの部分にハインリヒ・フォン・フェルデケの詩を当てた録音を、我がアンサンブルの山田夕子さんからも示されていたので、郁文堂の「ドイツ中世叙事詩研究、相良守峯著」などを引っ張り出すことになりました。

サロンでは、媚薬飲用直後のトリスタンの戸惑いをゴットフリートの11741行〜11788行から(石川敬三・訳)朗読。
イズーを宮廷に返して「アルンデール」で白い手のイズーに出会い、結婚をするのが良いのか悩み逡巡する件をトマのスニード本1行〜182行(新倉俊一・訳)から朗読。
トリスタンに言及したトロバドゥール詩「私の心は喜びでいっぱい」ベルナット・デ・ヴェンタドルン(天沢退二郎・訳)朗読。
歌は、「トリスタンの嘆き」、「あなたの高貴な輝きは」15CTorino J.Ⅱ.9、「陽の光を浴びてひばりが」ベルナット・デ・ヴェンタドルン、「乙女の花」(作者不詳)、「愛が私を支配した」Chanson mariable La Roine Blance
参加者からの発言も活発だったのが嬉しかった。以下のような発言がありました
断片的に知っていたり、トリスタンという名前の語調の美しさの印象、あるいはワーグナーによる知名度でとらえていただけだったので物語として初めて納得した
騎士道物語って恋物語ばかりだと思ってた。(これには、ベオウルフなんかはほぼ「進撃の巨人」だとお答えして、ずいぶん驚かれました)
ひばりが飛んで、まっすぐに落ちてくるのを見たことがある、ほんとうに何かに身をゆだねるように、陶酔しているように見える
イズーって人間?(すごく勘の良いすばらしい質問です。これは4月にイズーについて根ほり葉ほりしようと思っています)
騎士道で大切にされたのは高貴な女性だけ?
ふつうの市井の女性の扱いは?(パストラルなどで貴族ではない女性との交渉が描かれてます・・・)
騎士道の恋は教養?セックスは?美形同士でないといけないのか?
トリスタンはイケメンだが、なにがイケメンの条件か?(3月にトリスタンの生い立ちでほじくりましょう)

来月2月24日は「愛の洞窟」です

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【 2017/01/29 20:53 】

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